2023/03/22 17:09
物流業界で飛び交う用語やあるあるを遊びながら知ることができる新感覚カルタ、その名も「We are 物流人(ろじんちゅ)カルタ」が誕生しました。
鮮やかなパッケージとクスッと笑える絵札、そして物流業界の用語解説まで封入されたこのカルタ。46枚の絵札をはじめとするイラストを描き下ろしたイラストレーターの仲村直さん、ポップでフレンドリーなデザインを担当したデザイナーの野中愛さんが、試行錯誤しながら物流の世界を楽しく表現してくれました。今回は仲村さんと野中さんに制作過程を振り返っていただきながら、カルタに込めたこだわりをはじめ、おふたりが抱く物流業界のイメージや、物流業界×カルチャーの可能性まで語っていただきました。
ーおふたりは物流に対してどんなイメージを持っていましたか?
仲村:物流とイコールかどうかわからないのですが、じつは僕、今年1月に派遣に登録して5日くらい倉庫の仕事をしていたことがありまして。倉庫がすごく大きくてなかなか現場に辿り着けないなとか、働いている人が思ったよりたくさんいるんだなと思いましたね。僕はAmazonをよく利用するのですが、買うほうはポチッとスマホの購入のボタンを押したら終わりじゃないですか。でも、その先には、荷物をパッキングしてくれている人や運んでくれている人がリアルにいるんだということを、身をもって知りました。そのあとにこのカルタのイラストの依頼をいただいたので、運命めいたものを感じましたね。
野中:私も、インターネットで商品を注文したら誰かがそれを梱包して運んでくれるということは理解していたけれど、それが「物流」だとはあまり理解していなかったです。「物流」という言葉自体、「物の流れ」というすごく大きな話に思えて、どこを指して物流と言うのかわからない。それくらい解像度が低い状態でした。だから、カルタのデザインをしながら、物流について学んでいきましたね。
—物流×カルタという組み合わせはどのように感じましたか?
—仲村さんには46枚の絵札、外箱などにも使用されたイラストを描いていただきましたが、苦労したポイントは?
野中:仲村さんのイラスト、物流のことをすごく想像しやすかったです。よくわからないなと思っていた世界の解像度が確実に上がりました。カルタをつくることを通して、「物流をかっこよく見せたい」「面白く思ってほしい」という思いを持っているCAPESのような企業があるということも知ったのも新しい発見でした。
—おふたりの、特にお気に入りのイラストを教えてください。
—「い」の札の「LOVE」と言っている女の子がカルタの外箱のデザインにも使われていますよね。
—箱の側面の小さなキャラクターたちもかわいいですね。
仲村:歩行帯のイラストをもとに、カルタの札に出てくるキャラクターを歩かせてみました。やっぱりたくさんキャラクターが生まれたので、僕も愛着が湧いてきていて(笑)。箱にも出したいと思ったんです。
野中:ほかにも、受け取った人が難しく考えすぎないように用語解説の縁を仲村さんのイラストで飾ったり、札の裏にも手書き文字を入れたりして、ちょっと力の抜けた感じを演出しました。
—カルタを見てみると、おふたりは「クスッと笑える」というポイントを共通認識として持たれていたのかなと思ったのですがいかがですか?
仲村:そうですね。カルタってお正月の時期にみんなでわいわい楽しむものでもありますよね。そこには「ガッハッハ〜!」と笑える感じや「これわかるわ〜!」と共感できる感じが必要だなと思ったんです。先ほど制作についてマラソンのようだったと言いましたが、読み札に対する大喜利みたいな感じもありましたね。だから、上手い絵を描くかというよりも、いかに笑えるかということを意識していました。
—このカルタをどんな人に遊んでみてほしいですか?
仲村:まずは物流業界の方と、そのご家族みんなで遊んでもらいたいですね。お子さんや配偶者の方、関係者の方々と一緒に遊んで、「こんな仕事してるんだ!」「こんな人たちがいるところで働いているんだね!」ということが伝わっていくといいなと思います。野中さんもおっしゃっていましたが、「物流」という言葉だけではあまりよくわからない部分もある。そのぼんやりした部分にじつはいろんな人が関わっているんだということを知るだけで、ものを買う人にとっても「この荷物の先に人がいるんだ」という新たな発見になると思います。
野中:私もこのカルタをつくったことで、私のもとに届く荷物はいろんな人の手をわたってきたのだなと想像できるようになったんです。だから、カルタをつくる前の私のように物流って何?と思っている人にも遊んでほしいですね。ちょっと珍しいテーマのカルタとして、ボードゲーム好きの方にも手に取ってほしいです。
—今回おふたりが関わってくださったように、物流とカルチャーやクリエイターがコラボレーションしていくことにどんな可能性を感じますか?
野中:物流業界って一般からするとニッチな業界だと思うんです。私のような業界外の人からすると、未知の部分にクリエイティブが入ることによって、物流が魅力的に伝わっていくように感じます。たとえば、効率化のためのエリアの色分けが意図せずすごくかわいかったり、ひとつの動作をやりやすくするためだけの機械があったり、そういう倉庫のニッチな部分が見られる写真があったら面白そうです。あと、商品が届くだけじゃなくて「この箱で届いたから嬉しい」と思えるようなデザインやコレクションしたくなるようなデザインの箱、養生テープやガムテープなどがあったら、物流業界の方だけでなく、一般の人の生活も彩られそうだなと思います。
仲村:テープいいですね! これはイラストレーターとしての意見なのですが、物流の業界でたくさんイラストレーションを見かけるかといったら、たぶんまだまだな部分があると思うんですよね。物流業界にクリエイティブな要素が入ることによって、業界外の人に新しいイメージを与えられると思いますし、すでに物流業界で働いている「中の人」たちにも「ここで仕事をするのって楽しいよね」とか「私たちはかっこいい場所で働いているんだ」という気持ちになってもらえるようなアプローチの余地があるんじゃないかな、と。
僕自身、倉庫で作業していたときに倉庫ってすごく効率化されていて余計なものがなく、そこが素晴らしいと感じた反面、もっと楽しく、ワクワクするようなものがあると良いなとも感じて。たとえばみなさんが時間を確認する時計の横に、毎月違うイラストレーターが描いた大きなカレンダーやポスターがあったりだとか。それこそ擬人化された段ボールちゃんやAGV(無人搬送車)くんに愛着が湧くことで、作業する方々の見える景色が少し変わってくるんじゃないでしょうか。そういう意味でも、物流とカルチャー、クリエイティブの掛け合わせには可能性を感じます。
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